導入事例

株式会社デザインアーク様

CBP導入で紙管理の業務負担から脱却、発注業務のデジタル化で柔軟な業務環境を実現

取組

  • 紙ベースの設計図や業務資料を社外から閲覧可能に変革
  • 悪天候などで突発的に発生する資料修正をシステムで効率化
  • リアルタイムな取引状況の把握
  • デジタル化による印紙税の削減など、取引先とも相互にメリットを享受できるシステムの導入

効果

  • デジタル化でテレワーク対応を進め、業務効率化を促進
  • 捺印や郵送対応などが不要となりタイムラグが解消
  • スモールスタートで開始、成功事例を他部署への導入に拡大

株式会社デザインアーク様

設立
1971年4月1日
本社所在地
〒550-0011 大阪府大阪市西区阿波座一丁目5番16号 大和ビル
事業内容
  1. 建築・内装工事の請負
  2. オフィス・店舗等のトータルコーディネート、リフォーム
  3. オフィス・業務用家具の販売
  4. インテリアコーディネート及び内装、インテリア商品の設計・施工・販売
  5. 住宅設備機器、住宅用金属建材、各種建築資材の製造・施工・販売
  6. 事務用機器、備品、空調機器、電気製品等のレンタル・リース・販売

大和ハウスグループの一員である株式会社デザインアーク様は、システム導入による業務のデジタル化を図るためCBPを導入しました。CBPを選択した決め手や、CBP導入にまつわる具体的なエピソードについて、情報システム部 部長 中部さん、情報システム部 企画グループ グループ長 大前さんにお話を伺いました。

中部さん、大前さん情報システム部 部長 中部さん(右)
情報システム部 企画グループ グループ長 大前さん(左)

紙ベースの業務プロセスがテレワークの妨げに

―はじめに、事業内容や業務内容について教えてください。

デザインアークは、1971年に住宅建築部材・機器を取り扱う会社として設立されました。お客様や社会のニーズにあわせ、さまざまな事業・サービスを展開してきました。現在は、大和ハウスグループの一員として、住宅・商業建築の内外装の分野を担う事業を展開しています。「空間づくり」と「ものづくり」による建築のバリューアップに貢献しています。

―プロジェクトを開始した背景について教えてください。

デザインアークは、以前からEDIシステムの必要性について、検討していました。そこに、コロナ禍で在宅勤務を余儀なくされ、急遽業務プロセスを大きく見直す必要性がでてきました。しかし、設計図などの業務資料は、紙ベースで管理されており、社外からこれらの資料を確認することが困難になりました。そこで、この問題を解決し、柔軟な働き方を実現するため、EDIシステム導入プロジェクトが本格的に進められることになりました。

―プロジェクトを推進する上で明らかとなった課題について教えてください。

EDIシステムの検討にあたっては、受注側と発注側のそれぞれで検討を進めました。受注側は、親会社の大和ハウスグループで活用しているEDIシステムを使用していたため、特に問題はありませんでした。一方、発注側は、特別な対応が必要なことがわかりました。具体的には、注文書から支払通知書まで一元管理できる、発注業務をカバーするシステム機能(下図)が必要なことがわかりました。

しかし、受注側で利用しているEDIシステムは親会社が管理しており、発注側で利用するための機能拡張が難しいことが問題でした。また、発注側で利用するためのEDIシステムをゼロから開発することは、費用対効果が見合わないことが問題でした。このため、発注側のデジタル化の推進が課題となっていました。

―課題を克服するために検討したことについて教えてください。

オンプレミスのシステム導入は、情報漏洩などのセキュリティ対策が複雑という課題があり、数多くの取引先と接続して利用していくことが困難だと感じました。また、ライセンスの形態からランニングコストが高くなることがわかり、費用面で取引先の負担が増加してしまう懸念がありました。

EDIシステム単体の導入は、基幹システムとのデータ連動が難しく、重複したデータ登録やミスを誘発する可能性があることがわかりました。

よって、発注側で利用するEDIシステムの導入条件は、①取引先が何社導入してもランニングコストが高くならないこと、②取引先と即座に複数のファイルをやり取りできること、③基幹システムとの連携が円滑に行えることとしました。

信頼できるベンダーとの出会いとDX化の推進

―CBPを選択した理由をお聞かせください。

多くのベンダーからオンプレミスのシステムが提案されました。しかし、費用対効果の問題が解決せず、システム導入に躊躇していました。そのため、クラウドの仕組みを探していましたが、設定した条件に適合しないEDIシステムが意外と多く、システム選定には悩みを抱えていました。

そのような中でCBPは、SaaS型でクラウドの仕組みという前提条件を満たしていました。また、「中小企業共通EDI認証制度」で、レベル2業務アプリの認証を取得していたため、システムへの安心感がありました。それに加えて、打ち合わせ時にシステム導入から導入後の運用に至るまで親身で的確なアドバイスをいただけたことが、テクノスジャパンは信頼できるという印象を深めることになりました。

そこで、CBPの導入について検討を進めていくと、取引先が何社あっても導入が可能で、ランニングコストも非常に魅力的なことがわかってきました。これがCBPを選択した決め手になりました。

DX化の進展とともに取引先とデザインアークが相互にメリットを享受

―CBPを導入後、現在のDX化の度合いはどうなりましたか。
大前さん(左向き)

大前さん

CBPの導入によりEDIシステム化プロジェクトが推進され、デザインアークも取引先とも、タイムリーに取引状況をデータとして交換できるようになりました。お互いリアルタイムに情報を共有できるため、紙ベースで運用していたころと比較して、業務効率が向上しました。

具体的には、郵送物が確実に届いているかといった書類到着の確認が不要になり、捺印などの手続きが円滑化され、業務効率が向上しました。また、私たちの業界では、悪天候などに伴い工事内容に変更が発生すると、都度書類の修正が必要で、修正のたびに取引先と書類をやり取りする必要があります。紙ベースからデジタル化されたことにより、時間ロスが解消され、業務効率が飛躍的に向上しました。さらに、紙ベースから脱却したことにより、取引先で貼付していた収入印紙が不要になるというメリットも得られました。

現在では、関西地域の顧客から横浜地域の顧客にまで、CBPの導入が拡大しています。さらなるDX化を目指し、CBP導入後も親身に相談に乗ってくれるテクノスジャパンと、機能拡張などについて検討しています。直近では機能拡張を行い、受発注の書類と設計図など複数のファイルが添付できるようになりました。私たちの業界では、工事内容に変更があるたびに書類をすべて修正し、取引先と書類を共有する必要があります。複数のファイルを円滑にやり取りできる機能は必須でしたので、迅速に機能拡張していただいたことに感謝しています。

現場目線の手順書・動画を準備し、スモールスタートで利用者の評判を高めた

―CBPの導入はスムーズに進みましたか。
中部さん(右向き)

中部さん

CBP導入前は、紙の書類を印刷し、郵送するための郵送費の負担や、書類に捺印が必要になる手間がありました。また、タイムリーに情報が共有されないことや、書類の到達確認が必要なことなど、問題が多々ありました。さらに、現場では悪天候により、書類の変更が必要になるなどイレギュラーな事態が生じます。そうした際には、アナログな方法ですが、書類に手書きで変更を行い、FAXを送信して対応していました。

デジタル化を推進して業務効率化を実現するためには、CBPの利用を現場に促すことが重要であると認識していました。しかし、現場からは、社内外で利用されるシステムの導入がはじめてだったこともあり、抵抗がありました。デジタル化で業務が楽になることは頭では分かっていても、業務プロセスを変化させることへの恐れや、業務にCBPを利用する具体的なイメージを持てなかったことが抵抗の原因になっていました。

―CBP導入をスムーズに進めるために行った工夫について教えてください。

CBPの導入をスムーズに進めるため、社内および取引先に向けて、現場目線の手順書や動画を作成しました。CBPにも標準の説明書がありますが、デザインアークの使い方に関する詳しい説明にはなっていません。そのため、現場目線でわかりやすい説明書を別途準備しました。そのうえで、スモールスタートで一部の業務からCBPの導入を開始することで、業務効率化を実現しながら、現場でのCBPの評判を高めつつプロジェクトを進めました。

また、現場からのCBPに関する質問に備え、あらかじめ誰がどのように、いつまでに回答するのかを、明確に定めておきました。さらに、社内および取引先に日程調整を行ったうえで、数度の説明会に集まってもらうのではなく、適切なタイミングで説明が受けられるよう、アーカイブ動画を残すなどの創意工夫も行いました。これらの工夫の積み重ねにより、CBP導入に関連する業務変革の混乱を防ぐことができたと考えています。

お客様の声

中部さん:テクノスジャパンの鈴木さんがいなければ、このプロジェクトは実現しなかったと思います。一般的には、システム運用を開始した直後に問題が多発します。しかし、CBP導入では、導入前にしっかりとさまざまなテストパターンを洗い出し、事前確認を十分に行ったため、大きな問題は生じていません。初動から非常に順調に運用できています。

大前さん:鈴木さんが細かな部分にも気を配り、デザインアークの意向を反映してプロジェクトを推進してくれました。そのおかげで、CBP導入に際しては、私たちの要望がうまく伝わっていないといったことが少なく、齟齬も小さかったです。

コンサルタントの声

鈴木さん:デザインアーク様は、CBPで受発注の情報を取引先とやり取りした後、スクラッチで開発された基幹システムに情報を連携しています。この基幹システムは分納対応に難があり、洗替で対応する必要がありました。受発注の情報はその後、入出荷や検収などで再度利用されます。受発注時点の情報の粒度と、入出荷や検収時点の情報の粒度は、分納対応が発生するなどで粒度が異なることがよくあります。

一般的なEDIシステムは、このような業界特有の業務プロセスに対応することが難しくなっています。CBPは、基幹システムとの情報連携を円滑に行う仕組みをあらかじめ備えているからこそ、さまざまなバリエーションがある業務プロセスにも対応することができます。たとえば、法令に準拠した業務プロセスとして、書類の複数ファイル添付機能に対応しました。書類の改ざんなどを防止しつつ、迅速に書類原本を送受信することができます。天候の影響を受けやすい建設業界では、書類の変更が頻繁に発生します。こういった場面でも、CBPは書類をリアルタイムに共有できるため、円滑に業務を進めることができます。

デザインアーク様は、さまざまな地域、さまざまな部署でのCBP利用をご検討されています。業界特有の業務プロセスにあわせて柔軟に対応できるCBPは、今後のDX化にも貢献できると確信しています。デザインアーク様のDX化を引き続き伴走支援し、効果的な業務変革を進めていく予定です。

情報システム部 部長 中部さん(右)
情報システム部 企画グループ グループ長 大前さん(中央)
テクノスジャパン CBP本部 副本部長 鈴木さん(左)


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