導入事例

富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社様

ERP導入によるグループ会社再編を成功に導き、業務可視化・リアルタイム経営を実現

取組

  • グローバル展開、グループ企業展開を視野にSAP ERP導入
  • 物流、販売等、業務の可視化を実現
  • 財務指標のリアルタイム且つマルチ分析を実現

効果

  • ITソリューション提供による全社業務の最適化
  • 連結決算業務スピードの大幅な早期化
  • 経営指標のリアルタイム可視化による経営決定の早期化

テクノスグループ初のテンプレートソリューション

富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社

富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社

設立
2003年4月
資本金
800百万円
従業員
1145名(2014年4月 グループ合計)
本社所在地
東京都港区西麻布2-26-30
富士フイルム西麻布ビル
事業内容
印刷関連資材/薬品/機器/ソフトウェアの販売および関連する技術サービスを事業内容とする、富士フイルムグループ企業
URL
http://ffgs.fujifilm.co.jp

「SAP ERP」向けテンプレート「Fact-1」で業務の見える化とスピードアップを実現

SAP ERP導入でグループ連携強化
連結決算と製品コードの統一を目指す

富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(以下、FFGS)は、印刷関連の様々な製品やサービスを提供するメーカー系の販社である。製版・印刷会社、あるいは一般の企業に対して機材や資材、薬品、ソフトウエアを販売するだけでなく、コンサルティングサービスなども行っている。そもそも同社は、2003年4月、富士フイルムの特約店と富士フイルムの印刷関連部門の統合により設立。現在では、富士フイルムの主要な連結子会社の1つとなっている。しかし、この組織再編によって、グループ経営の観点から様々な課題が浮上した。その1つが富士フイルムの連結決算への対応である。「以前、当社では決算情報をまとめるのに約30日かかっていました。しかし、締め日から12日目に決算データを出すのが富士フイルムのルール。2003年度は人海戦術で何とか14日程度まで短縮したのですが、それでもグループの基準に達しませんでした」。このように語るのは、同社の渥美守弘氏である。
さらに当時、同社は富士フイルムとは別の製品コードを使って製品を管理しており、その名称や管理体系も異なっていた。したがって、富士フイルムの工場へ製造を申し込む場合や販社間でのやり取りを行う場合には、その都度、情報の変換作業が必要だった。他にも、年度中の損益管理ができず、リアルタイムに販売や経費などの情報を取り出すことができないという課題もあった。
同社では、こうした課題解決の方法を8カ月かけて検討。最終的にはERPの導入を決定した。ERPとは、会計や人事、購買、生産管理、在庫管理などのモジュールからなり、それらの情報を統合管理できるシステムのこと。採用したのは、富士フイルムも利用している「SAP ERP」である。

Fact-1による見える化効果でリアルタイムに自社を把握

渥美 守弘氏
執行役員 管理本部長
渥美 守弘氏

SAP ERP導入に際しては、導入の短期化とコスト削減を狙い、富士フイルムグループと同グループの情報システムにおいて豊富な経験を持つテクノスジャパンが共同でERP テンプレート「Fact-1」を開発した。
このFact-1の採用により、FFGSでは、約10カ月と導入期間を通常よりも大幅に短期化することができた。
また、コストの削減という面でも非常に高い成果を上げているという。その理由は、Fact-1によって1つのサーバーに複数のグループ企業の基幹システムを収容できた点にある。つまり大規模なサーバーを、グループ他社と共用することでTCO削減が実現できたのだ。また、様々な情報の多角的な分析を可能にする「SAP BW」との組み合わせによって、レポートや帳票の紙での出力を大幅に削減。「従来と比べると紙の枚数を約80%近く削減しました」と同社の青野功氏は話す。経営層も手軽にシステムを操れるので、紙文書で報告する必要はほとんどなくなった。
なおFact-1開発時から、このSAP BWとの連携を意識していたため、レポート作成のための付加的なアドオン開発は一切行っていない。このようなFact-1のテンプレートとしての完成度の高さが、SAP ERPの短期導入を可能にしたのである。
「この新システムによって決算は7 日間に短縮され、製品コードの統一も実現。製品やおカネの流れなどの見える化も大きく前進しました」と青野氏は評価する。これにより、グループ企業とのやり取りがスムーズになり、業務のスピードも向上。また、以前は、年度単位でしか知ることのできなかった損益の状況を品目軸や部門軸、顧客軸といった多様な軸で検討することも可能になった。これにより、経営層は、自社の状況を素早く把握しながら、様々な切り口から抽出した情報を意思決定に役立てることができる。経営層がタイミングよく次の一手を打つための情報基盤が整ったといえるだろう。

監査法人対応の負荷が軽減 日本版SOX法準備もスムーズに

青野 功氏
企画部 担当部長
青野 功氏

新しい基幹システムを構築したことで、付随的な効果も生まれている。「まず監査法人による監査への対応負荷を軽減することができました」と青野氏。SAP ERPの扱いに慣れた会計士も多いため、監査法人側の負荷も軽減されたという。日本版SOX法への対応における、業務プロセスの定義、リスクの洗い出しと評価、対応策の検討といった一連の取り組みでも、ERPは極めて有効だ。「もし旧システムのままだったら、膨大な時間を費やしても対応できなかったかもしれない」と渥美氏は言う。
このようにFFGSでは、ERPを活用することで、より効率的かつ変化に即応できる連結経営を目指している。今回のプロジェクトで高い成果を上げたSAP ERPをベースとしたFact-1は、FFGSグループ各社にも導入され、グループ連結経営の基軸として大きな力を発揮しよとしている。
テクノスジャパンのSAP ERP向けテンプレート「Fact-1」は、富士フイルムグループの各販社へ導入されている。メーカー系販社の業務に特化した機能もあるが、販売プロセスや在庫・購買プロセス、財務会計、管理会計などをカバーしているので、中堅卸売・専門商社および製造業などの企業にも適用できる。FFGSは、このFact-1を活用し、ERP導入期間の短縮、開発コストの低減を実現。また、1つのサーバーに複数会社のシステムを収容可能、連結のデータ処理が簡単といった特長を持ち、連結経営の効率化にも寄与する。加えて、アップグレードが容易で、SAPのBWとのスムーズな連携によって見える化を推進。言語や通貨単位などのグローバル対応はもちろん、多様な機能で経営をサポートしている。

ビジネスモデル例

※ 記載されている社名、商品名は各社の登録商標または商標です。
※ 本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は導入当時のものであり、変更されている可能性があることをご了承ください。