導入事例

多摩化学工業株式会社様

繊細・迅速な要求にも対応できるmcframe生産管理サービスによる日本のもの作り信頼強化

取組

  • 10年間で老朽化した生産管理システムを新たな生産・販売・原価管理システムへ刷新
  • 化学薬品製造特有の生産管理に対応
  • 必要十分な機能に絞り込んでの短期導入を実現

効果

  • 製造現場業務の効率化
  • 事務処理の迅速化に伴う経営判断のスピードアップ
  • 部門間でのスムーズな連携

激変する素材市場に柔軟対応できるmcframe導入

多摩化学工業株式会社

多摩化学工業株式会社

創業
昭和24年(1949年)10月22日
従業員
450名(平成20年3月グループ全体)
本社所在地
神奈川県川崎市川崎区東田町6番地1
事業内容
化学薬品の製造販売、化学プラントの設計施工、超精密化学分析、上記に関する付帯業務
URL
http://www.tama-chem.co.jp

現場と経営陣が一体となって、半年間でMCFrameの導入に成功

1949年の創業以来、化学薬品の中でも付加価値の高い「ファインケミカル」を中心に、先端分野関連の製品開発に力を注いでいる多摩化学工業株式会社では、現場と経営陣が一体となって、わずか半年という短期間でmcframeを導入。国内4カ所の工場と本社をつなぐ生産・販売・原価管理システムを刷新した。テクノスジャパンは、mcframeの導入をサポートすることにより、プロジェクトの成功に貢献している。

激変する経営環境に対応するため、生産管理システムを刷新

多摩化学工業株式会社は、分析用超高純度試薬の製造・販売と半導体や液晶用の現像液および洗浄液、半導体用薄膜形成材料、半導体用CMP(化学機械研磨)材料など、電子材料の分野で幅広く使われる「超高純度薬品」の製造において、世界トップクラスの技術と販売量を誇る。
その超高純度薬品は、世界中の半導体・液晶工場で利用されており、安定供給のため、国内の4つの工場と2つの研究所だけでなく、米国、台湾、シンガポールにも生産拠点を設け、米国には優れた研究所も所有している。 この業界は、技術改革や新商品の開発が、常に行われており、変化のスピードが非常に速い。なかでも、多摩化学工業の主要な顧客であるエレクトロニクス業界は、特に変化が激しい。好況と不況を繰り返すセミコンサイクルにも需要は左右され、品質が大きく向上しているにもかかわらず、製品の価格は下落を続け、10年前の3分の1以下になってしまったものもあるという。
このような経営環境の変化に柔軟に対応し、スピーディな経営判断と効率的な生産体制を実現するため、同社では10年間にわたって利用してきた従来の生産管理システムを刷新し、新たな生産・販売・原価管理システムを導入することを決断した。
専務取締役の栗本進氏は「導入の前に半年間をかけて、当時の工場長や担当者に現状の問題点や改善の要望をヒアリングし、当社にとってどのような生産管理システムが最適なのか、それに該当するシステムはあるのかといった情報を収集しました」と導入の検討を開始した当時を振り返る。
社内でこのような検討を進めた結果、選ばれたのがmcframeであった。同社では、mcframeの導入・運用サポートに実績のあるテクノスジャパンの導入コンサルティングを受けながら、国内4カ所の工場と本社をつなぐ生産・販売・原価管理システムを導入するプロジェクトをスタートさせることになった。

短期導入が可能で業務にも最適なMCFrameを選択

栗本 進氏
専務取締役
栗本 進氏

導入プロジェクトのリーダを勤めた総務部課長の飯野一志氏はmcframeが選択された経緯について「業務への適合性、カスタマイズの必要性と程度、導入時及び運用時の負荷などをポイントに検討を進めた結果、最終候補として絞られた製品の一つがmcframeでした」と説明する。
mcframeが選択されたのには、大きく3つの理由があった。第1は、多摩化学工業が、企業規模に合致した十分な機能を持ちつつも、導入及び運用においては高い柔軟性を併せ持つパッケージ製品を求めていたことだ。「機械や自動車などを製造する企業であれば、何万種類の部品を管理しなければならないのかもしれません。
しかし、当社の場合は、それほど多くの原材料や取引先を登録する必要がなく、大手企業での利用を前提としたシステムでは中小中堅企業が市場で大企業と渡り合っていく際に不可欠な迅速性が犠牲になる懸念がありました。その点、mcframeは規模や業種にかかわらず日本の製造業に適したきめ細やかな機能を備えているのが魅力でした」と栗本氏は語る。
2番目の理由として飯野氏は化学業界特有の事情を挙げる。「製造工程において副産物が発生するという化学薬品製造特有の要素を盛り込んだ生産管理に対応できるシステムが求められますが、mcframeは副産物に対しても標準機能で対応していました。また、当社では環境保全活動の一環として一部の製品で使用済みボトルを回収する容器リンク制度を実施し、容器代相当額を差し引いた金額で製品を提供していますが、mcframeでは、共通フレームワークという開発環境をベースに、容器管理機能を容易に追加開発することができました」。
最後に挙げたのは、会計システム「SuperStream」との連携だ。「mcframeの導入に合わせてSuperStreamも新規に導入しました。2つのシステム間では、スムーズにデータの連携ができるので、それぞれのシステムを単独で運用するよりも、業務プロセスを効率化できると考えました」と飯野氏。このようにパッケージの標準機能を最大限活用でき、導入効果をみながら運用の調整ができるmcframeは、多摩化学工業の求める理想のシステムだったという。
導入効果について栗本氏は、「まずは現場の業務が効率化されたことが大きい」と語る。現場における事務処理のミスをなくし、迅速化を図ることは、mcframeを導入した目的の一つであるが、導入時に比べ売り上げが倍増した現在でも、事務作業の負担は大きく変わらないという。さらに栗本氏は「事務処理の迅速化が図られたことで、月次の決算情報を従来より格段に速く入手できるようになり、経営判断のスピードアップを図ることができました」とマネジメント側から見たメリットを指摘し、「mcframeの原価計算機能を導入してからは、すべての工場における正確な原価が把握できるようになっています」と成果を語った。

MCFrameで実現する効率的で信頼性の高いものづくり

飯野 一志氏
総務部 課長
飯野 一志氏

このように、一定の成果を上げているmcframeだが、同社における導入プロジェクトでもっとも注目すべき点は導入期間の短さにある。規模や業種によっても変わるが、生産管理システムの導入は、一般的に2~3年の期間が必要とされる。だが、同社では導入期間が半年、検討を開始した時期から数えても約1年という短期間で導入を成功させている。
「mcframeの導入に関しては、すべてを100点にする必要はないと考えました。大筋大丈夫ならゴーサインを出して、プロジェクトを前進させました。その分、プロジェクトメンバーには相当大きな負担が掛かっていたとは思いますが」と、栗本氏はシステム導入に当たっての現場の大変さを指摘する。
一方、プロジェクトリーダーの飯野氏は「現場では解決できない問題が発生した場合でも、専務の栗本が経営陣を説得してくれたり、トップダウンの判断を下してもらえたので、ほぼ予定通りにプロジェクトを進行することができました」と経営陣の協力があったことを強調する。このように現場と経営陣が一体となってプロジェクトが進行したからこそ、このような短期間での導入が成功したことは間違いない。
プロジェクト中に実施したユーザー向けの集合教育では、2日間の教育を2回実施することで、受講者全員がほぼ完全にmcframeを利用できるようになったという。
テクノスジャパンのサポートに関して飯野氏は「導入期間中は、毎週定例会議を実施するだけでなく、コンサルタントの方に常駐していただき、問題時には、迅速な対応を得ることができました。今後もmcframeに限らず、様々な情報の提供を通して、当社のシステムの向上にご協力いただければと思います」と語る。 栗本氏は「私は常日頃から、仕事は安全で、正確に、早く、楽に、行うべきだと考えています。mcframeは、当社がこの“安・正・早・楽”を実現するための最適なツールです。
これからも、mcframeを使いこなしながら、より一層、無理、無駄、ムラを無くすと同時に、常に先を見越しながら、お客さまのご要望に応えることができる製品を提供し続けていきたいと思います」と抱負を語った。

※ 記載されている社名、商品名は各社の登録商標または商標です。
※ 本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は導入当時のものであり、変更されている可能性があることをご了承ください。