導入事例
株式会社学研ホールディングス様
ホストコンピュータからSAP ERP導入へ、安定したサポート体制による業務改革の実現
取組
- ビッグバン導入を企画当初より支え、顧客目線の柔軟なコンサルティング実施
- 全領域の豊富な経験・業務ノウハウにより信頼性の高い運用体制を構築
効果
- 信頼を裏切らないシステム稼働後の安定運用を実現
- お客さま視点に立った業務改善を進められる協業体制の構築
業務改革を実現したERP導入と安定した保守サービス
株式会社学研ホールディングス
- 創業
- 昭和22年3月31日
- 従業員
- 967名(2008年3月31日時点)
- 本社所在地
- 東京都品川区西五反田2-11-8
- 事業内容
- 教室・塾事業、幼稚園・保育園向け事業 、学校向け事業 、家庭教育事業、学び・児童出版事業、暮らし・教養・エンタメ出版事業
- URL
- http://www.gakken.co.jp
対応領域の広さとSAPに関する深い知識が保守業務を依頼する上での大きな安心感に
学習雑誌の出版を始め、教室/塾事業や幼稚園/保育園向け事業など、幅広い企業活動を展開する株式会社学研ホールディングスでは、SAPをビッグバン導入し、2007年7月から本格稼働を開始した。しかし、導入範囲の広さとコストの兼ね合いの中で、課題を解消しきれない部分を残しての船出となった。
その後、導入時のアドオン開発を担当したテクノスジャパンが保守部分も担当、稼働後の正常稼働をサポートしている。
対応領域の広さが決め手となり、導入時のアドオン開発を依頼
2005年初頭、株式会社学研ホールディングスはSAPの導入プロジェクトに着手した。過去約35年間にわたって利用し続けてきた基幹システムの刷新を狙ったものだ。当時の状況を同社 経理部 IT運用室 室長の伊達秀雄氏は、次のように振り返る。 「プロジェクトはむしろ、業務改革の視点に基づいたものでした。業務プロセスもシステムも古いので、全てやり直そうということになったのです。そこで、ホストコンピュータで処理していたあらゆる基幹業務をSAPで置き換えることにしました」。
これはいわゆるビッグバン導入と呼ばれるもので、コンサルティングと実際のSAP導入についてはコンサルティングファームに依頼、またアドオン開発についてはコンペを行ない、パートナー企業を選ぶことにした。
「3~4社の企業にRFP(提案依頼書)を渡し、提案を受けることにしました。しかし今回のプロジェクトはスコープが広く、会計だけとか、部分的にしか受けられないというところが多かったのです。その中でテクノスジャパンさんは全ての領域にわたって対応が可能でした。それが決定打となりました」と伊達氏。またコスト面での優位性も大きかったという。
こうして同社とテクノスジャパンとの関係が始まった。
自社業務への理解度を評価し、保守サポートもテクノスジャパンへ
実際の導入プロジェクトは2005年の頭からスタートし、約2年半の期間を経て、2007年7月にカットオーバーした。その一方で同社は、カットオーバー後の保守サポートを依頼するパートナー選定についても並行して進めており、2006年末にはテクノスジャパンに白羽の矢を立てた。
テクノスジャパンを選んだ理由について、同社 経理部 IT運用室 アプリチーム リーダーの坂本勉氏は次のように説明する。 「アドオン開発の時から入ってもらっているので、まずうちの実情をよく知ってもらっているということがあります。 当社の事業領域である出版業界にはSAPの導入事例が少なく、あっても会計部分だけで、販売管理、在庫管理、購買管理まで含めたものがまず見つかりません。全然知らないシステムインテグレーターに保守フェーズを任せるよりも、開発から我々と一緒に協力してやってもらっていたテクノスジャパンさんにお任せするのが一番効率もいいと考えました」。
実際にテクノスジャパンが対応している保守範囲は、自身が開発したアドオン部分に加えて、今回導入したSAPの販売管理/在庫購買管理/財務会計/管理会計/データ分析といった全モジュールの標準機能およびコンサルティングファームが設計したアドオン部分までを含んでいる。
また伊達氏は、「我々は出版社といってもかなり特殊で、塾を展開していたり、訪問販売をしていたりします。そのためSAPの設定自体も5~6種類、必要になります。テクノスジャパンさんはそうした複数にわたる業態にも対応できるノウハウがありました」とテクノスジャパンの優位性を補足する。
保守フェーズでの評価ポイントは、顧客目線でのサポートやSAPのノウハウ
こうしてビッグバン導入と保守フェーズのパートナー選定を終え、同社ではSAPが稼働を始めた。テクノスジャパンからは保守要員として、12~3人に常駐してもらっていた。しかし当初は、無理をしてビッグバン導入したことでさまざまな問題点が噴出したという。「もともと業務改革自体が痛みを伴うプロジェクトであるのに加えて、スコープを広くとったために、予算も膨らみがちでした。それを調整しながら進めていたので、実はスジュールも少し押していました。いわば丸いところに四角いものを押し込んだような感じで、はみだしたところがあることは分かっていながら、やや強引にカットオーバーしたのです」と伊達氏。
そのため稼働期には、エンドユーザから寄せられたクレームの原因が障害なのかどうかも判断がつかなかったという。稼働期の混乱時でもあり、必要な改修がデグレーションに当たるのか、あるいは仕様変更に相当するものなのかの見極めも困難だった。 「原因はよく分からなくても、エンドユーザが困っているので、今日、明日中には何とかしなければならない世界です。テクノスジャパンさんには土日に対応してもらったこともありました。
我々にとって一番重要なのは、新しいシステムを滞りなく動かし続けることです。明日の業務が動かなくなるという時に、当初の保守契約ではここまでです、それ以外については改めて営業担当を通してくださいと言われたら困ってしまいます。そうした意味でテクノスジャパンさんは、SIerとしての言い分を一方的に通すのではなく、我々の視点に立って、その時の状況を理解した上で、柔軟に対応してくれました。地道に、まじめに、こつこつと取り組んでいただいたと思います」(伊達氏)
また坂本氏は、テクノスジャパンのSAPに関するノウハウについても評価する。 「今回初めてSAPを導入したこともあり、我々にはその知識も保守するスキルもありません。トランザクションコード1つを取っても全然知らなかったので、常駐してもらっていた約1年の間に、テクノスジャパンさんには懇切丁寧に教えていただきました。そのおかげで、どうしてこういう事象になるのか、その時にはどこを調べればいいか、というところまで理解できるようになりました。SAPの知識はかなり蓄積できたと思います」(坂本氏)。 その後のテクノスジャパンの保守体制としては、エンドユーザのスキル向上とシステムの安定化に合わせて、稼働時の常駐体制からリモート保守へ切り替えたり、保守要員の数の最適化を図るなど、柔軟に対応している。
SAPに特化した姿勢を評価、今後は120%の提案力を期待
テクノスジャパンはSAPアワードを4回受賞しているが、この点に関連して伊達氏は、「SAPにこだわって特化しているテクノスジャパンの会社としての姿勢は、高く評価できると思います。
新入社員の人を採用して、一からSAPの教育をされていることは、ユーザ企業から見て大きな信頼感につながります」と評価する。
保守体制については、今後は専任ではなく、よりダイナミックな形で対応してもらえれば保守費用の低減にもつなげられるとのことで、「今後の課題として検討して欲しい」と語る。
また坂本氏は「非常に高いレベルの要望だと思いますが、現在100点満点の対応力を、今後は我々の想像を超えるような提案をしていただくことで、さらに120点、150点と高めていっていただきたいですね。テクノスジャパンさんの実力ならそれも十分に可能だと思います」と語り、今後のテクノスジャパンの保守サポートにさらなる期待を寄せる。