導入事例

ユニオンソース株式会社様

グループ企業間データ連携を視野に入れた全社横断的業務の抜本的改革

取組

  • グループ間でのシステム統一を図り、製造管理・原価管理レベルを向上
  • 適正な在庫管理・購買管理で発注からのリードタイムを短縮

効果

  • 発注のリードタイムが明確化したことにより、仕入先とのパートナー関係を強化
  • 業務効率化と事業の流れが可視化されたことで、社員の意識改革を促進

SCM業務抜本的改革に向けて販売・購買・在庫管理システムを一新

ユニオンソース株式会社

ユニオンソース株式会社

創業
1993年11月1日
本社所在地
栃木県日光市木和田島3109
事業内容
合成樹脂コンパウンド製品の委託製造、販売
URL
http://www.unionsauce.co.jp/

購買管理から在庫管理、販売管理まで業務全体の管理レベルの向上を目指してSAP ERPの導入をわずか6ヶ月で実現

東京の有名洋食店や老舗のとんかつ専門店などで使用される業務用を中心に、とんかつソースや ウスターソース、マヨネーズ、ケチャップなどの高品質な商品を作り続けるユニオンソース株式会社。一般家庭においてもペンギンのマークで親しまれ、東京下町の食卓に欠かせない定番商品として根強い人気を得ている。現在はお多福グループの一員として事業を展開する同社では、購買、在庫、販売など一連の業務における管理レベルの向上を目指して、グループ共通の基幹システムであるSAP ERPを導入。テクノスジャパンのサポートにより、6ヶ月という短期間で構築を成功させた。

商品づくりの管理レベル向上を目指しグループ共通の基幹システムを導入

創業以来、国産の野菜や果物などの原材料にこだわり、昔ながらの味わいを支える秘伝のレシピをもとに、真摯に商品づくりに取り組んできたユニオンソース。そのこだわりは水選びにも表れ、ソースに適した水を求めて全国を巡り、日本の名水にかぞえられ、豊富な水量を誇る日光の天然水へと辿り着く。そして1991 年、東京にあった工場の一部を日光に移し、2012 年に は本社を含め、すべての工場を日光に移転。水、空気などの自然に恵まれた環境で、こだわりの商品づくりを続けている。
ユニオンソースは2005年、オタフクソースと業務提携を結び、現在はお多福グループの一員として事業を展開している。そして業務提携から8年が経った2013 年、高品質な商品づくりを支える基幹システムとして、お多福グループでもすでに活用されていたSAP ERPの導入を決定。その狙いについて、今回のSAP ERP導入でプロジェクトマネージャーを務めた同社執行役員で日光工場工場長の小田 孝広氏は、次のように語る。

小田 孝広氏
執行役員 日光工場工場長
小田 孝広氏

「グループ共通の基幹システムを導入することで、同じ経営の観点から事業を管理し、評価していくことが一番の目的です。また、ユニオンソースが企業として成長を続けるためにも、基本である基幹システムをしっかり構築し、原材料の管理やレシピの管理、コストの管理も含め、すべての管理レベルを高めていく必要がありました」
ユニオンソースでは、それまでも財務管理に関してはSAP ERPを活用していた。しかし、販売管理 には独自のシステムを採用しており、2つのシステムが混在している状態だった。そのため、二重管理を 行わなければならず、マスタデータのメンテナンスに多くの手間がかかり、また打ち間違いや変更漏れなどのミスも頻繁に発生していた。導入プロジェクトのリーダーを務めた管理部 部長の谷藤 毅氏は「システムを一元化することで、こうした業務課題 の解決も目指した」と話す。
一方、主要業務である製品製造に関しては、「原価管理」に大きな課題を抱えていた。原価見積りを正確に行うには、原材料、副資材、加工賃といった品目単位、工数単位での原価管理が欠かせない。しかし、個々の工数管理が行えているとは言えない状態にあった。小田氏は「徹底した個別原価管理を実現することで、原価に対する社員の意識を高めるとともに、品質レベルを上げていくことも大きな課題だった」と語る。
さらに、より厳密な在庫管理と購買管理を行い、発注からのリードタイムを短縮することが求められた。「ユニオンソースは原 材料を保管する倉庫が小さく、一回の購入量も少ないため、MRP(資材所要量計画)をいかに効率よく回せるかが重要なポイントです。午前中に仕入先に発注しなければ、原材料が翌日に届きません。しかし、発注時に在庫を再度確認していた ため、14時ごろまでかかっていました」(小田氏)
ユニオンソースでは、こうした課題の解決に向けて新たな基幹システムの構築に着手。2013 年4月、SAP ERPの導入プロジェクトをスタートさせた。

パートナーとしてテクノスジャパンを選定わずか6ヶ月でスムーズな構築を実現

今回のプロジェクトは6ヶ月という短期間でのカットオーバーを目指したため、厳しい進行が求められた。そこでユニオンソースでは、複数の候補の中から最適なパートナー企業を検討。食品業界におけるこれまでの実績や、難易度の高いプロジェクトをユニオンソースと一体となって進められるサポート力の高さなどが評価され、テクノスジャパンが選ばれた。
わずか6ヶ月という納期に間に合わせるためには、ユニオンソースとお多福グループ、そしてテクノスジャパンの密な連携が不可欠だった。小田氏は「自分たちで問題を抱え込まず、何か分からないことがあればすぐにテクノス様に相談したり、グループのIT担当者に質問を投げかけながら作業が止まらないように心掛けました。テクノス様にはさまざまな質問に答えてもらい、困った時には的確な指示をいただくことで、混乱することなく取り組むことができました」と話す。
また、SAP ERP導入に関するテクノスジャパンの経験やノウハウも随所に活かされた。会計部門の導入も担当した谷藤氏は、次のように語る。「SAP ERPでは、『何日締めの何日払い』といった日本独自の商習慣に対応できない部分もあります。細かな締め単位や請求単位に関するテクノス様のノウハウがあったからこそ、作業をスムーズに進めることができました」
そして当初の予定通り、2013年10月にカットオーバーを迎えた。小田氏は「システム化されていない部分や数字が全く取 れていない部分も多く、テクノス様も陰では苦労されていたと思います。そういった苦労を感じさせることなく、スムーズに完成できたという印象です」と当時を振り返る。

購買、在庫、販売などの管理業務を一新 社員一人ひとりの意識改革にも貢献

ユニオンソースでは、それまでも財務管理に関してはSAP ERPを活用していた。しかし、販売管理には独自のシステムを採用しており、2つのシステムが混在している状態だった。そのため、二重管理を 行わなければならず、マスタデータのメンテナンスに多くの手間がかかり、また打ち間違いや変更漏れなどのミスも頻繁に発生していた。導入プロジェクトのリーダーを務めた管理部 部長の谷藤 毅氏は「システムを一元化することで、こうした業務課題の解決も目指した」と話す。

谷藤 毅氏
管理部 部長
谷藤 毅氏

懸案のひとつだった在庫管理では、すべての仕入先からの購入量について、原材料ごとに詳細な 管理が行えるようになった。小田氏は「何がどのくらい在庫としてあるのか、その日その日で明確に見られるようになった」と高く評価。また、「在庫が不足している場合にはシステムから発注指示も出るので、午前11時ぐらいまでには発注を完了することができる」と話す。
さらにリードタイムが明確になったことで、「仕入先の都合なども考慮に入れた購買計画を立てることが可能となり、仕入先とのパートナー関係も強化された」と小田氏は予期せぬ効果も実感している。
また販売管理では、従来のシステムに比べてより細かな単位や切り口での管理、分析が行えるようになった。谷藤氏は「旧システムでは、どの取引先に対してどの価格帯を適用するかという『建値』の数字がマスタに登録 されておらず、なし崩し的に対応していた部分もありました。それがSAP ERPでは、取引先ごとに異なる建値などを柔軟に設定し、的確に管理することができます」と話す。
さらにSAP ERPを導入したことで、社員一人ひとりの業務負担も軽減することができた。小田氏は「特に残業が多かった管理系の部門において業務の効率化が進んでいます。SAPERPを導入したことで逆に仕事量は増えましたが、就業時間 は短縮されています」と語る。
谷藤氏も「月末日には請求書などを発行するために遅くまで残業していましたが、今は、1時間ほどの残業ですべての処理 は終わっています。全体的に2割~3割は残業時間を短縮できている感覚があり、管理部については残業時間も総労働時 間も減っています」と語る。
また、SAP ERPを導入したことで、業務の効率化だけでなく、「社員の意識も高めることができた」と小田氏は言う。「今やっている仕事が製造工程の中でどのような意味があり、どのように関わっていくのか。社員一人ひとりが事業の流れを理解 して業務を行い始めたことで、発注から製造、出荷、販売までの一連の流れが生まれ始めています。たとえば、管理部門の社員から在庫管理に関する改善策を提案してもらいました。これもすべてどのような形で出荷しているかが見え始めてきたからだと思います」と語る。
社員一人ひとりが行う仕事の範囲と量も明確になった。小田氏は「ブラックボックスだと言っていたのですが、管理部の スタッフがどんな仕事を抱えているのかがなかなか見えてきませんでした。SAP ERPを導入することで仕事が明確になり、指示を出す上で本当に分かりやすくなったと感じています。またルールが同じなので、特定の業務を一人だけではなく、他の人も行えるようになり、社員の多能化も始めています」と言う。

システムの中に眠るデータを活かし 生産性と管理効率のさらなる向上へ

ユニオンソース株式会社

今後のさらなるシステム活用に向け、テクノスジャパンのサポートに期待していることについて、谷藤氏は「SAP ERPのシステムを使って何が実現できるのか、我々もまだ把握しきれていない部分があります。『こんなことができたらいいな』というような漠然としたことしか言えませんが、テクノス様にはそのニーズを汲み取っていただき、新たなご提案をいただければ ありがたいです。6ヶ月間、パートナーとして一緒にお仕事をさせていただいた信頼関係の中で、これからも気軽にアドバ イスをしていただけるような関係を築いていければと考えています」と語る。
最後に小田氏は「この基幹システムの中にあるデータを眠らせたままにせず、いかに活用して事業運営を効率化させることができるかが、今後に向けての一番の課題です。どういうデータを活用すれば生産性が上がり、管理効率も上がるのか。そういったことを強く意識してこれからも取り組んでいきたいと思います」と抱負を語った。