テクノスジャパンが受発注業務・経理業務・情報システム業務を担当する全国の618名を対象に、業務に関する実態調査を実施
DXでつながる未来を切り拓く株式会社テクノスジャパン(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:吉岡隆、以下「テクノスジャパン」、証券コード3666)は、受発注業務・経理業務・情報システム業務を担当する全国の618名を対象に、業務に関する実態を調査しました。
その結果、政府のデジタル庁創設の波に乗り、自分の会社のデジタル化が進むと期待する人は618人中415人で約70%を占めることがわかりました。また、受発注データ連携におけるEDI(電子データ交換)導入も全体の7割前後の企業において、何かしらのEDIの仕組みが導入されている状況でした。一方で、受発注業務にEDIを使用しつつもその活用は一部にとどまり、いまだに紙運用などが併存すると答えた企業が約9割を占め、本来、受注~請求まで一連のデータであるにも関わらず、それらを一気通貫で管理・活用できている企業はわずか15%に満たないという結果となりました。
また、請求書の保存方法はいまだ“紙”であり、その影響もあるためか、経理業務担当の55.8%が「出社しないとできない業務が多い」、50.0%が「月末に業務が立て込む」と回答しています。
これらの結果から、コロナ禍によりデジタル化の意識は大きく進展しているものの、実際の運用レベルは未だ限定的で、デジタル化は業務効率化やリモートワーク促進のためのツールでしかない可能性があることも伺えました。
新型コロナウイルス感染症の第3波が襲う今、企業のリモートワークは、もはやニューノーマルではなくむしろそのスタイルがスタンダードな働き方へと定着するものと考えられます。そんな新しい働き方の中で、感染予防と社会経済の両軸を回転させていくためには、デジタル化、スマート化をより一層強化することが何よりも重要であるといえます。さらに、コロナ禍でようやく社内のデジタル化推進が見えてきた中、今後は社内だけではなく企業間でリアルタイムかつシームレスな情報連携と情報流通の高速化を図り、サプライチェーン・マネジメントをより一層推進していくことすることが企業経営に求められる大きな課題ともいえます。
このようにコロナ時代に日々社会情勢が変化する中で、ようやく動き出した社内デジタルトランスフォーメーション(DX)の波。2021年は、デジタル化したデータの“蓄積から活用”、と共にさまざまな企業と協調しながらデジタル化を推進する企業間のデータ連携が次への課題となることでしょう。
調査結果の詳細は以下をご覧ください。
①デジタル庁創設の波に乗り、自分の会社のデジタル化が加速すると期待する人は約70%
デジタル庁創設の波に乗り、あなたの会社のデジタル化も加速すると思うかを尋ねたところ、67.2%の人が「思う」と回答しました。「思う」と回答した人に理由を尋ねたところ、「国策であれば企業や地方自治体も従う」や「国の政策は社会の流れになる」と答える人がおり、国としての動きが会社の動きにもつながると考えている人が多いことがわかりました。また、「これまでデジタル化は+αの考えだったがコロナの影響で進めざるを得なくなった」「コロナで在宅ワークが増え、在宅で行うことが増えた」と、新型コロナウイルス感染症がデジタル化を推し進めていることも明らかです。
なお、「他国に比べて遅れすぎている」や「国のデジタル化の流れは遅すぎるので世界から取り残されてしまう」といった厳しい意見も見受けられました。
②経理担当の約半数が、「出社を必要とする業務」、「月末の業務負荷増」を課題と意識
財務・経理業務を担当する方に、請求・会計業務が抱えている課題について尋ねたところ、55.8%の人が「出社しないとできない業務が多い」、50.0%の人が「月末に業務が立て込む」と回答しました。また、「伝票等のチェック作業で依然として目視作業が多い」と回答した人も47.1%いました。コロナ禍においてテレワークが推奨されてきておりますが、まだ約半数の方が、経理業務においても未だ業務の為に出社を強いられており、人的作業による繁忙業務が発生しているという状態がうかがえます。
③受注で68.5%、発注で76.6%がEDI導入しているが部分的で、うち約9割では紙運用が残る
受発注業務を担当する方に、受発注におけるEDI(デジタルによる企業間データのやりとり)の活用状況について尋ねたところ、受注業務で68.5%、発注業務で76.6%の方が一部でもEDIの仕組みが導入されていると答えたものの、全データをEDIで完結できている企業は受注業務で5.2%、発注業務で10.2%しかおらず、残りの約9割の企業では受発注において何かしらの紙やメールでの運用が残っていることが分かりました。また、受発注件数の半数以上をEDI化できている企業も5割に満たず、全ての受発注を紙やメールでやりとりしていると答えた人も、受注業務で21.9%、発注業務で13.9%存在しました。更に、受発注業務を行うにあたり、相手先企業との間に認識齟齬が発生したことがあるか?という質問に対しては、受注業務で15.5%、発注業務で13.1%の人が「ある」と回答しました。齟齬の内容については、「数量や納期認識のズレ」「仕様や取引条件が伝わっていなかった」「FAX操作ミスによる未伝達」などの回答がありました。EDIの普及は進んでいるものの、導入は一部の相手先とのやりとりにとどまり、いまだに紙やメールでの運用が残っている状態がうかがえます。また、FAXでの受発注による認識齟齬はもちろん、EDIでの受発注においても、取引条件などについての伝達齟齬が発生してしまっているという状況も見受けられます。
④請求書保管は「紙で保管」が約半数!受注~請求まで企業間データの一気通貫活用はわずか15%弱
財務・経理業務を担当する方に、受領した請求書の保管方法を尋ねたところ、67.0%の人は「紙で保管」していると回答しました。また、受注業務で使用したデータが請求書処理データに自動反映されたら業務が効率化されると思いますか?という質問に対しては、70.4%の人が「効率化されると思う」と回答しており、「既に実現している」と受注~請求までの企業間データの一気通貫活用ができていると回答した人は14.1%にとどまりました。
⑤情報システム担当者への依頼として半数近くを占めるのは「いつでも見たい数字を取り出せる状態にしたい」
社内システム担当者の方に、社内の各部門から来る相談事項について尋ねたところ、44.2%の人が、「いつでも見たい数字を取り出せる状況にしたい」と回答しました。次に多い相談は「購買から納品、受注から出荷・請求まで一気通貫したシステムにしたい」で36.4%、「データ連携による決算業務の自動化をしたい」は35.4%でした。また、情報システム業務における課題について尋ねたところ、最も多かった回答は「情報システム部門の人材不足」で51.5%、次に多かった回答は「社内のシステム保守に時間とコストがかかり、新しいことに取り組めない」で47.1%、「部門ごとに保持しているデータが多く、管理が大変」で35.4%でした。
■総括
新型コロナウイルス感染症の拡大によりリモートワークが急速に普及した流れで、企業のデジタル化システムの導入は進行していますが、現段階では業務効率化やリモートワーク促進のためのツールとして取り入れられているのみであるという傾向にあることが明らかになりました。しかし、今後、更にDX化を推進するためには、デジタル化したデータを数字として蓄積するだけでなく、社内のあらゆるデータと繋げて業務連携していく必要がでてくると考えられます。さらに、社内でのデータ活用に止まらず、企業間というサプライチェーンでデータを繋げ、取引された数字がリアルタイムに反映され、自律的・予見的アクションがとれる柔軟な対応がとれるような仕組みを作り、場所・時間に囚われず、どこにいても即時対応できるような社会にしていくことが、デジタルトランスフォーメーション(DX)の大きな役割ではないでしょうか。
コロナ禍で浮き彫りになった我が国のデジタル化の実態。デジタル庁の創設は、日本の押印文化やペーパー文化を改善し、国策として世界から遅れをとる日本のデジタル化を引き上げると期待しています。
■調査概要
調査内容:受発注業務・経理業務・情報システム業務に関する実態調査
対象者数:・受発注業務担当者206人
・経理業務担当者206人
・情報システム業務担当者206人 計618人
調査地域:全国
調査方法:インターネットリサーチ
調査会社:株式会社マクロミル
調査時期:2020年12月1日(火)~12月2日(水)
<参考資料>
株式会社テクノスジャパン
連結子会社5社を含む独立系のITサービスグループです。「企業・人・データをつなぎ社会の発展に貢献する」をグループミッションに掲げ、情報システムの企画・立案(コンサルティング)から分析、設計、開発、導入、保守に至る一連のサービスを提供しています。ERP関連事業、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連事業を柱にビジネスを展開しており、サービス導入企業は220社を超えています。
所在地:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー14階
代表取締役:吉岡 隆
設立:1994年4月27日
資本金:5億6252万円
https://www.tecnos.co.jp/
■本件に関する報道関係お問い合わせ先
株式会社テクノスジャパン
社長室 広報・IR担当
田中・小一原・山口
Tel:03-3374-1212